退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『上意討ち 拝領妻始末』(1967)

新文芸坐の企画上映「永遠の映画スター 三船敏郎」で映画「上意討ち 拝領妻始末』(1967年、監督:小林正樹)を観る。封建時代の理不尽がもたらす悲劇を描いた時代劇。

会津藩馬廻り役・笹原伊三郎(三船敏郎)は武芸で藩内に勇名を馳せていた。その笹原家に藩主の妾・いち(司葉子)が払い下げられ、息子・与五郎(加藤剛)との縁組を強要される。いちは藩主の男子を産んでいたが、ある日大奥でヒステリーを起こし藩主に疎まれてのことだった。

そんな経緯のあったいちが笹原家の嫁として務まるか心配されたが、与五郎との間に娘をもうけ仲睦まし夫婦となり幸せな日々を送る。

そんななか藩主の嫡男が江戸表で急死したため、いちの産んだ子が藩主の跡取りとなる。いちは藩主の嫡男の生母となるが、そうした身分となったいちを一家臣の嫁としておくことができず、藩から大奥に返上するように無理強いされる。しかし笹原親子は、そのような理不尽を承服できず、主命に背き藩からの討手を屋敷で迎え撃つ。

この映画は三船敏郎の殺陣を堪能できるし、武満徹の音楽もいい。橋本忍の脚本も冴えている。それにしても白黒映画はやはりスクリーンで観るに限る。テレビだと画面の深みが出ない。もはやこうした時代劇が新たに作られることもないだろう。ストックだけを楽しなければいけないのは残念だ。