退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ジャッカルの日』(1973) / サスペンス映画の至宝

映画「ジャッカルの日」(1973年、フレッド・ジンネマン監督)をDVDで鑑賞。フレデリック・フォーサイスの同名ベストセラー小説の映画化。最も好きな映画のひとつ。何度見ても飽きない。あまり人気ないのかなと思っていたが、《新・午前十時の映画祭》で選ばれていたからそうでもないようだ。ストーリーはつぎのとおり。

アルジェリア独立を支持するド・ゴール政権に不満を持つ秘密軍事組織OAS(Organisation de l'armée secrète)は、大統領暗殺を試みるがことごとく失敗する。業を煮やしたOASはプロの暗殺者ジャッカル(エドワード・フォックス)を雇い大統領暗殺を依頼する。特注の狙撃銃や偽造書類を用意してフランスに向かうジャッカル。一方、暗殺計画を察知したフランス政府は、ルベル警視(デルフィーヌ・セイリグ)に暗殺阻止を命じる。
紆余曲折の後、ジャッカルはパリへの侵入に成功し、パリ解放記念式典でド・ゴールを狙撃するが失敗。現場に駆けつけたルベルに射殺される。政治的配慮でジャカルの身元は明らかにされず、パリ市内の墓地に密かに埋葬される。

好きなシーンが2つある。ひとつは、自らが基本設計した特注の狙撃銃を入手した後、近くの森で試射するシーン。吊り下げたスイカを標的にして照準器を調整する場面がいいね。

もうひとつは、OASの女スパイがフランス政府高官にハニトラを仕掛ける場面。犬の散歩を装い高官を落馬させてきっかけをつくり、男女の関係になり自宅に潜り込みスパイ活動を行う。ルベルの捜査により女スパイによる情報漏洩が発覚すると、その高官が潔く自決するのも印象的。

ただ残念なのはフランスやイタリアが主な舞台なのに全編英語劇であること。アメリカ映画だと仕方ないのか。やれやれ。

ジャッカルの日 [DVD]

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Trailer The Day of the Jackal - YouTube