少し前になるが早稲田松竹で「パレード」(2010年、行定勲)を観た。原作は未読。期待していなかったが、かなり満足した。なかなかの拾い物。
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2010/10/06
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都内の2LDKマンションをルームシェアする男女4人。「嫌ならば出ていけばいいし、ここに居たかったら笑っていればいい」という表面的な人間関係である。
「現代の若者像」と言えば簡単だが、様々な障害を克服しながら人間関係を築くといった古典的な青春群像劇とは違い、現代社会の不健全さをうまく使ったシチュエーションドラマだろうか。個々の「心の闇」を鋭く描くといったわけでもない。
だから特定の登場人物をとくに取り上げることもなく、構図で見せるという作風がうまく機能している。また徐々に混沌としていく展開は秀逸だが、ラストが途中で予想できたので意外性が薄い。
役者では、映画を観ている間が誰だかわからなかったが、メガネをかけたイラストレーターを演じた香里奈がよかった。雰囲気が出ていて驚いた。