武田邦彦『「CO2・25%削減」で日本人の年収は半減する 』

「CO2・25%削減」で日本人の年収は半減する

少し前に話題になった鳩山総理の「日本はCO2を90年度比25%削減する」という世界への公約が取り上げられている。テレビで著者を見かけて読んでみようとツン読になっている間に、張本人の鳩山首相は辞任してしまった。何だったんだろう。

読後、何事も自分で考えることが重要だと痛感したと同時に、元々胡散くさいと思っていたが、「エコ」の美名のもとに展開されている環境政策がいかにデタラメなのがよくわかった。エコポイントやハイブリッドカーのCMが空々しく聞こえるようになった。

とくに「クライメートゲート事件」に対する国内外のメディアの報道姿勢の違いは深刻な問題。そもそも既存メディアには期待していないが、これほどまでだったは驚くばかり。

この本は専門的な内容をわかりやすく説明してくれているだけでなく、科学者としての良心が感じられる良書。本当に日本はどこに行くのだろうか。いずれ凋落して三等国になるにしても、もう少し粘ってほしい。