退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

マルタのやさしい刺繍

マルタのやさしい刺繍」(2006年、ベッティーナ・オーベルリ)をDVDで鑑賞。スイス映画。

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

舞台はスイスの小さな村。夫に先立たれた80歳のマルタは生きる気力をなくす。ある日、若い頃ころの夢であるランジェリーショップを開店することを思いたち、仲間3人とともに動き出すが、保守的な村では冷たくされるだけだった…。

全編通して緩い映画。スイスの田舎町の美しい風景や風物、そして人の紐帯がいまだ残っといるコミュニティの様子は興味深く見る。伝統を叫ぶマルタの息子たちの世代が、80歳の彼女よりずっと保守的なところもおもしろい。マルタと仲間たちのキャラも立っていて個性的だ。

ただアメリカ好きの仲間が突然死んでしまうシーンは何を暗示しているかわからなかったし、最後に保守的な人々をぎゃふんと言わせるの合唱会のシーンもピンとこない。脚本がイマイチかな。

原題は、“Die Herbstzeitlosen”といい、イヌサフランと辞書に載っていた。遅咲きの花といったところか。