近くのシネコンで「第9地区」(2009年、ニール・ブロムカンプ)を観る。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/08/11
- メディア: Blu-ray
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巨大宇宙船が南アフリカに出現し、乗船していた多数のエイリアンが難民化してヨハネスブルグの専用居住地区に隔離される。その後、スラムとなった第9地区から新しい第10地区へ難民を移送することになり、民間企業の平凡な社員が現場責任者に任命される。その現場でエイリアンとの運命的な接触があり…。
ニュースドキュメンタリー風の映像が社会派映画を思わせるが、実際は壮大なB級SF映画である。エイリアンはエビ(prawn)と呼ばれて醜悪な造形だし、スラム街は荒れ果ていて、全編通して汚らしい映画である。人間が血しぶきをまき散らして木っ端微塵になるなど残酷な描写もあるので気の弱い人は注意が要るかもしれない。
最後の戦闘シーンは、パワースーツが登場するなどアクション爆発でなかなか盛り上がる。ありがちなVFXだけど満腹になった。ストーリー展開のテンポがよく楽しめる。映像的には既視感があったり、設定にほころびが見えるものの、テーマ設定がユニークで斬新なのは特筆できる。とくにラストの主人公の哀愁ただよう姿は胸を打つ。
ところでなぜ舞台がヨハネスブルグなのかと思ったが、アパルトヘイトの隔離政策時の実際にあった社会問題を基にしているとのこと。ワールドカップも近いことだし、南アの歴史を振り返ってみるのもいいかもしれない。