退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「東京地検の『抗議』に抗議する」(週刊朝日:2月19日号)

先週、「週刊朝日」(2月12日号)に「子ども“人質”に女性秘書『恫喝』10時間」という検察批判の記事が載っていたが、その後、検察から週刊朝日編集部に抗議書が送られてきたそうだ。いよいよ当局の圧力により検察批判キャンペーンも終了かと思ったが、今週号に上杉隆さんの「東京地検の『抗議』に抗議する」(p.21)という反論記事が載っていてちょっと安心した。

その反論記事で、検察から抗議書に対しひとつひとう反駁していて、その内容には説得力があるように思われる。驚いたのは、検察からの抗議書があまりに稚拙であることだ。「真実は」という言葉と軽々しく使う姿勢には頭を傾げたくなるし、相当にいい加減なシロモノだ。内容がどうであれ抗議しておけば、メディアはおとなしくなるとでも考えているのだろうか。抗議書は今週号の22ページに載っており、「週刊新聞・談」でも閲覧することができる。

また同23ページ左上に、編集部から「抗議書」に対する質問状を検察に送ったが、取材拒否された経緯が載っている。まさに検察のスタンスは、「抗議はするが取材には一切応じない」ということらしい。検察まさに恐るべし。捜査能力だけでなく、情報「操作能力」も落ちてきているようだ。

先月号の記事を読んで気になっていたのは、女性秘書が、民野健治検事により監禁まがいに拘束されたため、保育園に迎えに行けなったというが、子どもはどうなったのだろうということだ。今週号にその顛末が載っていた。結局夫は仕事で迎えに行けず、女性秘書の親族が迎えにいったらしい。さらに記事によれば、「取り調べ後、病院で診察を受けた女性秘書には診断書が出され、いまだに精神的ショックから立ち直れず、完全な職場復帰を果たせないでいる」とある。

まあ巨悪に牙を剥くなら、多少きわどい捜査があっても仕方ないとも思うが、今回のように何の罪もない若い母親に対して、こうした卑劣な取り調べは世論も許さないと思うのだが、あいかわらず大マスコミは完全にスルーしている。利害関係を共有しているから仕方ないのかね。