- 作者: 宮台真司,福山哲郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: 新書
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社会学者・宮台真司と民主党参議院議員・福山哲郎の対談本。対談本は読んでがっかりすることが多いが、この本は内容が充実していておすすめできる。また宮台氏の本のなかでは比較的読みやすいので、彼の考えに触れるのには取り組みやすい一冊であろう。これは編集者の技倆によるものかもしれないが。
まず「民主化」を、「権威主義-参加主義」と「市場主義-談合主義」とを2軸とする四象限図(p.24)で説明しているのは興味深い。
日本は、上記の欧州型にシフトしていくのがよいとしている。市民参加型の社会の到来はありえるのか、またその道筋はどうなのかということを改めて考えさせられる。
他には、政治体制として「アングロサクソン的な二大政党制は日本にはなじまない 」としている。にわかには納得できないのだが、気になる見解ではある。
また全編を通して、宮台の既存マスコミに対する批判が噴出していて、怨嗟のようにも感じられる。日本のマスコミはひどいのはその通りだと思うが、今後のレガシイ・メディアの動向も注目される。
一方、福山はその誠実な人柄が伺えたが、それだけに魑魅魍魎が跋扈する政界を渡っていけるのか心配にもなった。これからいい仕事をしてほしいと願うばかりだ。
この本は、一度読んだだけでは理解できないほど内容が濃い。時間を措いて再読してみたい、と言っているなかで、財務大臣が辞任するなど状況は刻々と変化していく。早い時期に一読することをおすすめしたい。