退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『血文字屋敷』(1962)

先週、シネマヴェーラ渋谷で「血文字屋敷」(1962年、工藤栄一)を観る。山城新伍の追悼上映だったが、山城は町人のチョイ役。

大友柳太朗が一人二役で大暴れるする、これぞ時代劇という映画。番士の主人公・神尾喬之助は、妻を上役と争った経緯から職場で陰湿なイジメに遭う。堪忍袋の切れた喬之助はついに同僚のひとりを斬り、復讐を誓い姿をくらます。喬之助は、姿が瓜二つの浪人・茨右近と出会い、二人に協力してかつての同僚を次々に血祭りにあげていくという話。

まあ大友柳太朗の豪快な高笑いが楽しめる、古典的な時代劇であり、安心して観られる。

でも、いくらイジメがあったとはいえ、ひどい「逆ギレ」です。同僚を叩き斬る前になんとかコミュニケーションできなかったのだろうか。こういう人が職場にいたら心底怖い。キチガイに刃物というのは、まさにこの映画のことだろう。

f:id:goldensnail:20160412115541j:plain