過日、新宿バルト9の東宝時代劇まつりで、「忍者狩り」(1964年、山内鉄也)を観る。
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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ストーリーは次のとおり。
三代将軍家光の治世。幕府は理由を付けては外様大名を次々に取り潰していた。伊予松山藩も家督相続に際し、幕府の標的となる。この企みを阻むため松山藩は、近衛十四郎をはじめとするかつて自らの藩を取り潰された4人の浪人を雇い、幕府の忍者と対抗する。
本作は古典的な時代劇とはちがい、陰鬱で凄惨な映画である。華麗な立ち回りはなく、ひたすら非情な殺し合いが繰り広げられる殺伐とした雰囲気。こういうのを「リアリズムの追求」というのかもしれないが、いわゆる普通の痛快時代劇を期待すると見ると疲れるかもしれない。
こうした映画なので、せっかく期待していた近衛十四郎の殺陣の冴えを見られず、ちょっと残念。宝の持ち腐れというべきか。それでも、霊廟内の暗闇で展開する近衛十四郎と闇の蔵人(天津敏)との緊張感溢れる死闘シーンは一見の価値あり。