西田宗千佳『クラウド・コンピューティング仕事術』

クラウド・コンピューティング仕事術 (朝日新書)

前作『クラウド・コンピューティング』が役に立ったので、この本も手にとってみた。

この本はフリーライターの仕事術を紹介したもので、すべての人にとって仕事が効率化されるわけではない、と冒頭でことわっているのは好意的。

このところ類書を何冊か読んでいたので、この本で新しいサービスやツールをたくさん見つけるということはなかったが、初めて「クラウド」を利用してみようとする人にとっては、わかりやすく書いてあるので有用であろう。

私としては、ジャストシステム「インターネットディスク・バックアップ」、ＮＥＣ「データ保護・漏えい対策サービス」が意外に安く一般利用者に提供されているのがわかり参考になった。

さらに、クラウドの利便性に加えて、「流出」「消失」「切断」といったリスクについても触れているので、導入を考えて人は必読だろう。また、クラウドに必要なコストについて、具体例を示しているのも参考になる。

ただ、こうした技術はアップデートが頻繁なので、新書というメディアで伝えるのには限界があるとも感じた。やはりネットで動向を追いかける必要があるだろう。