退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『五月みどりのかまきり夫人の告白』(1975)

シネマヴェーラ渋谷で「五月みどりのかまきり夫人の告白」(1975年、牧口雄二)を観る。山城新伍の本を読んでから彼の映画が気になっていたので、この映画の上映を知って立ち寄ってみた。

五月みどり主演のお色気コメディ。山城が演じる大学教授の夫に浮気された、かまきり夫人こと五月みどりが、腹いせに次々に男と関係を持ち、相手の男たちを破滅させるエピソードをオムニバス形式で描く。

お色気といってもソフトタッチなので激しい絡みを期待すると肩透かしを食うが、当時のセックスシンボルだとされた裸体はさすがに美しい。また幕間に挿入される山城が学生たちにセクハラする寸劇が楽しい。

五月の相手役に様々な男が登場するが、最後に登場する殺し屋役の伊吹吾郎が印象に残る。ゴルゴ13ばりの殺し屋ですごい体躯で五月を抱くシーンは見栄えがするし、劇中で得意のフラメンコギターの演奏を披露しているのも必見。でも最後にあっさり蜂の巣になって殺されるのが笑える。