ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショーで「恐怖女子高校 暴行リンチ教室」(1973年、鈴木則文)を観る。「恐怖女子高校シリーズ」の第2作。なかなか盛況。
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2009/08/07
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風紀委員による陰惨なリンチが続く「希望学園」に、仲間の仇を討つために女番長・杉本美樹が乗り込むところから始まる。理事長の下、教頭の暴力による学園支配に、ついに女番長たちの怒りが爆発する、という筋立ての映画だ。様々なリンチが登場するのも、この映画の特徴であり、杉本美樹も裸でリンチの制裁を受けるが、その場面が一番の見どころか。
タイトルロールに池玲子がクレジットされているが、なかなか登場せずにしびれを切らしていると、唐突にバイクに乗って颯爽と登場。しかもノーヘル…。その登場シーンがYouTubeにあったので見てほしい。タイマン仁義を切るのも、この手の映画ではお約束。池の仁義で「太宰治がグッドバイした桜上水に生まれ落ち…」というあたりで場内に笑いが漏れる。
その後、タイマンの前に池が杉本にナイフを投げて渡すシーンでの下からのカットが、無意味にカッコいいのも見どころだ。結局、タイマンを張らないのだけれど。
一方、理事長役の金子信雄の出番も遅い。今回はなんと国会議員にまで成り上がっているが、相変わらずの面白さで期待を裏切らない。
終盤の学園でのドタバタは、入口にバリケードを築いたり、ゲバ棒を振り回したりするところは、学生運動そのままで世相を感じさせる。思い起こせば、映画のタイトルになっている「集団リンチ」も連合赤軍が引き起こした一連の事件を取り入れたものだろうか。
あと渡瀬恒彦が、理事長を恐喝するゆすり屋として出演しているのも特筆できる。彼自身はフィルモグラフィから抹消したいかもしれないが…。5千万円取り損ねてトホホいう役どころだが、いい味を出している。