退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『エイリアン2』(1986)

DVDで「エイリアン2」(1986年、ジェームズ・キャメロン)を観る。リドリー・スコット監督による第1作に続く、シリーズ第2作。何度も観てしまう映画のひとつ。

前作は宇宙を舞台にしたホラー映画だったが、この作品はSFアクション映画と言ってよく、力点は戦闘シーンにある。原題が“Aliens”と複数形になっていることからも分かるように、前作に登場した宇宙生物が群れをなしている。

前作ではエイリアン一体でも強敵だったが、今回は最新兵器のよりあっさり死んでしまうのはどうかとも思うし、これならば別に「エイリアン」の続編でなくてもよかったではないかという気もするが、まあ作品が面白いからいいのだろう。

とくに終盤の惑星から脱出する場面からのテンションはすばらしい。リプリー対エイリアン・クイーンの戦いは「母親vs.母親」とも捉えることができ、この映画のテーマといってもよい。戦いのなか女戦士・リプリーが吐く、“You bitch!”というセリフは文句なくカッコいい。言葉が通じない相手に対してでも。

他にこの作品の魅力には、惑星調査に投入される「海兵隊」なる戦闘部隊のキャラクターや装備をあげることができる。残弾が表示される銃器(ビーム兵器ではないところもミソ)も、なかなかのアイディアだ。決して精鋭ではない隊員が、だんだんと減っていくのは「お約束」とわかっているが、やはりワクワクする。

全体を通して、現在の撮影技術からみれば、どうしても見劣りする部分もあるが、それでも魅力的なSFアクション映画である。

DVDの特典映像で、エイリアンの群れは6体のコスチュームで撮影して編集したものだと監督が語っていた。他にも特典映像にはミニチュア製作の様子も収録されていて、当時のSF映画の製作プロセスを振り返ることもできる。