退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

罪とか罰とか

早稲田松竹で「罪とか罰とか」(2009、ケラリーノ・サンドロヴィッチ)を観る。成海璃子主演のドタバタコメディなのだが、いまひとつ面白くない。

罪とか罰とか [DVD]

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その主な原因は、優等生的な役柄が多かった正統派美少女が本格コメディに初挑戦というふれこみだったのに、肝心の成海璃子が乗り切れていないためだろう。周りに芸達者が多い(騒々しいだけのもいたけど…)ので、余計にそれが目立つ。意欲作なのは確かなのだろうが、結局、天然でもない彼女は、コミカルな芝居を無難にこなす器用さは持ち合わせていなかったようだ。だが、それはそれでいい。まだ若いのだし彼女なりに経験を積んでいけばよいだろう。

演出面では、一部で演劇的な要素もあるが、時間軸を操作する構成など今風の映画でよく見かけるタッチもある。まあ、全体としてドババタしていて観ていた疲れる映画である。

出演者では、奥菜恵のちょっと怖い感じの演技は印象に残った。あとトラックの助手席の女性が、本筋には関わりのない役だが、いまをときめく麻生久美子だったのには驚いた。いったい何だったのだろうか。

あと、成海はグラビアアイドルという設定なのだから、水着ぐらいは披露したほしかったかも。また婦警姿のコスプレでは、おでこを全開にするアスタイルだと、いまひとつかわいくないという不満もあった。もっとかわいく撮ってほしかったな。