退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

半沢隆実『銃に恋して―武装するアメリカ市民』(集英社新書、2009年)

銃に恋して―武装するアメリカ市民 (集英社新書)

銃に恋して―武装するアメリカ市民 (集英社新書)

映画などのなかで一般市民がやたらに銃で武装しているのを見て、米国の銃社会について関心をもち、以前より積読してあった本書をようやく読んでみた。

タイトルがややおかしい気もするが、米国の銃社会の状況がよくわかった。本書では、銃とともに生きる米国人にとって、銃に執着には二つ理由があるとしている。ひとつは、建国に由来する理念であり、これはDNAの如く「武装する権利」を謳う憲法にも顕れている。もうひとつは、より現実的な問題で銃による護身目的である。国情があまり違うので、われわれには想像しにくい。

この本を読むと銃社会に根ざす問題は根深いものがあり、そう簡単には変わらないように感じた。まあ、いくら銃による犠牲者が出ても米国の国内問題と言えば、そのとおりなのだが、米国を訪れるときに巻き込まれるのは勘弁してほしい。できることは、十分に注意するだけだ。銃規制に関して言えば、あまり尊敬できる国でないことだけは確かなようだ。