退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

古市幸雄『僕たち、どうして勉強するの?「1日30分」を続けなさい! 2』

僕たち、どうして勉強するの?「1日30分」を続けなさい! 2

僕たち、どうして勉強するの?「1日30分」を続けなさい! 2

小学生高学年を対象に、筆者の生々しい体験談を通じて「なぜ勉強するのか」について説いた本である。筆者の体験談はもちろん事実であろうし、その中には玩味すべき点や学ぶところは多い。ただ体験談を、そのまま普遍化するのはムリがあるように思う。不特定多数に語りかけるには、別のステップが必要ではないだろうか。

しかし本書で指摘されている勉強の大切さや人生への影響については、私の乏しい体験からしても、ほぼ異論はない。学校においては、勉強自体を教えると同時に、勉強する理由を納得するまで説明するべきだろうと感じた。それが学校で為されないために、家庭環境が子どもの教育レベルに直接的に影響する状況が生じているのだろう。

もっとも小学生高学年でこの本を読んで、勉強の意義を見出すような子どもいるのだろうかとも思った。自分の当時を振り返ると「勉強の大切さ」など何にも考えておらず、半ば強制的に勉強させられていたものだ。まあ、今からみればそうした環境をありがたく思うわけだが―。