退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

松尾里央『あの映画は何人みれば儲かるのか?』

タイトルには「映画」とあるが、「映画」「音楽」「出版」といったエンタメ業界での、お金の流れ、各関係者の取り分がわかりやすく解説されている。

あの映画は何人みれば儲かるのか?

あの映画は何人みれば儲かるのか?

ただ「映画」「音楽」については、どこかで読んだことのあるような内容だったのは残念。もっと「著作権」や「映画ファンド」などの話題について、専門家からの解説がほしかった。でも『続・冬のソナタ』の話はキャッチーだった。

「出版」のなかの「フリーペーパー」のビジネスモデルについては興味深く読んだ。そのなかに〈『R25』と『ホットペッパー』のどちらが儲かる?〉というセクションがある。答えは後者であるが、その理由は読んでみればなるほどと思うが、なかなか面白かった。もっとも、『ホットペッパー』のような「チラシの束」が出版なのかという疑問はあるが。

「元が取れることをリクープ(recoup)という」となど業界用語はちょっと勉強になった。「投資等を行うにあたって、投資元本を取り戻すこと」ということですね。