新文芸坐で「戦場にかける橋」(1957年、デヴィッド・リーン)を観る。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2007/07/25
- メディア: DVD
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
英国軍のニコルソン大佐(アレック・ギネス)と日本軍の斎藤大佐(早川雪洲)、それぞれの心情の変化や葛藤が見どころであろうが、何かが足らない。日英米のキャラクタ設定があまりに類型的であるし、英国軍に比べ日本軍の能力が一方的に過小に描かれているせいもあるかもしれない。
観ながら日英将校の精神の対決をさらに掘り下げてほしいと期待したが、途中からお調子モノの米兵に視点が移ったため、映画全体が発散してしまったようにも思える。惜しい。
とはいうものの、戦争の狂気を訴えるラストシーンは反戦映画の金字塔といってよい。まさに、”Madness!”だ。
やや本筋からそれるが、英国留学3年の経験をもつ斎藤大佐の英語が立派なのも見どころひとつ。かっこいい。日本の政治家も、斎藤大佐程度には英語を話せればいいのに。また彼の部屋の洋物カレンダーが掛けられていて、西洋に対する彼の心情を暗示しているようでうまい。
新文芸坐の十八番の日替わりプログラムでハリウッドの名作が上映されている。時間が許せば毎日でも通いたいところ。