「ドトールコーヒーショップ」のファンなので読んでみた。さすがに成功しただけのことはある。ただ、タイトルの「勝つか死ぬか」とフレーズは、この本から感じられる経営理念とは違うのではないか。
ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 鳥羽博道
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 文庫
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いろいろ発見があった。「ドトール」が、元々「医者」という意味であったことや、「オリーブの木」がドトール資本であったことなどである。またハワイアンコーヒーの「カフェマウカメドウズ」にも行ってみたいとも思った。
ブラジルに単身渡航してコーヒー農園で働き、さらに地球一周した帰国したという話には、わくわくさせられた。半生記の醍醐味であろう。その当時のエピソードを、もっと読みたかった。
余談だが、創業記はたしかに面白いが、よく考えて読まなければいけない。まあ、成功するのが分かっているから安心して読めるという面もあるが。今回ならば「至誠通天」と「因果倶時」といった強い信念が成功に寄与したのは間違いないだろうが、信念だけで大成できるというものではあるまい。
こうした主張が本として世に出るのは、筆者が成功者だからということを見落としてはならない。いかにすばらしい信念があっても成功できなかった人の声は読者まで届かないということだ。一歩引いて、客観的に成功の要因を分析して将来に役立てるという視座が必要なのではないか。