いわゆる「フォトリ」の本である。各章末の成功談はかなり胡散臭いが、通読して有益だった点もあった。
- 取り掛かる前に、本の構造を把握し、キーワードを抜き出すなどの準備をして、読書に目的を明確にすること。
- 最初のページから順に読むのではなく、「飛ばし読み」を気にせず、全体を俯瞰的にテンポよく読むこと。
- 本の内容について自問自答して理解を深めて、マインド・マップを作成するなどして確認すること。
「ミカン集中法」「ブリッジ・ページ」といった用語に惑わされるせいか、この本を読んだだけでは、この技術は身につきそうにないと思わせるフシがある。そうなると、人によっては、セミナーに誘導されるわけだが、調べてみると個人で払うには結構受講料が高い。というものの、成功談にあるような能力が本当に身につけば、安い買い物と言えるかもしれない。「信ずるのものは救われる」という世界なのか。
日ごろ多読している人は、自分なりの速読法や読書法というものを確立しているにちがいないとは思う。こうした技術が、科学的に裏付けられていて、トレーニングによって身につくのであれば、ぜひ学校教育に取り入れてほしいものだ。「速読」というと、どうも怪しく思えるのだが、いまひとつ世間に定着していないのはなぜだろうか、といったことも考えさせられた。
- 作者: ポール・R・シーリィ,神田昌典
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2001/09/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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