退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『堕靡泥の星 美少女狩り』(1979) / 鈴木則文の再降臨

シネマヴェーラ渋谷で、「堕靡泥の星 美少女狩り」(1979年)を観てきた。今回が初見。上映企画「最終凶器・鈴木則文の再降臨」(6月20日まで)のなかの一本だがキワモノ企画なのに、会場はなかなか盛況だった。この映画は、有志がカンパしてニュープリントを作ると、以前どこかで読んだ記憶があるが、今回のフィルムがそれだったのかな。画質は良好だった。

この映画は、佐藤まさあきの「例の」コミックを原作とした、にっかつロマンポルノ作品なので、濡れ場や嗜虐的なプレイのシーンも少なくないが、映画としてもかなりのものだ。娯楽性が高いのはもちろんだが、ある意味哲学的だとすら思えたほどだ。鈴木則文の真骨頂が顕れているといえば言いすぎか。

まず主人公を演じる土門峻が、コミックの雰囲気をよく捉えてなかなかいい。また女優陣もみなさん美人でレベルも高くて楽しめる。まあ女子高生役はさすがにムリがあるのだけど…。エロが溢れている現代においても結構興奮する。

またシーンのなかでは、半狂乱になったアイドル歌手が新宿東口で踊る場面が印象に残ったが、あれがゲリラ撮影だったのか気になる。さらに菅原文太がトラック野郎よろしく運転手に扮し、「川崎のトルコで…」という猥雑なセリフは披露するサービスカットも見逃せない。

DVDが出ているか調べたらあった…。原作を読んだことがある人も、そうでない人も一度は観てほしい作品だ。則文は期待を裏切らない。