ニューズウィーク誌で、脳科学や言語学の研究成果に基づく英語力の伸ばし方についての特集を読んだ。
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2008年 4/23号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/04/16
- メディア: 雑誌
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「光トポグラフィー」という手法で分析すると、インド・ヨーロッパ語族の母語話者に比べて、日本人が英語を聞いたときの脳の負担は大きいそうだ。まあ理屈は別にして、「そりゃそうだよな」と思う結果だが、あらためて科学的事実として指摘されると重みがある。まあ最初から不利なわけだ。したがって他の活動に割く余力もないということになる。そうした状況で脳の基本処理の負担を軽減するには、2〜6語の定型表現をチャンク(塊;chunk)として丸暗記するのが効果的らしい。例えば:
- Please do not hesitate to 〜
- As a result of 〜
- at the end of the financial year
- high interest rates
というフレーズや業界用語である。
また、「読解力を伸ばす6つのコツ」というセクションがあった(p.42)ので、項目を抜き書きしておく。
- 日本語に訳すのを恐れるな
- 飛ばし読みしない
- 推論頼みの甘いワナ
- 単語の数より大切なもの
- 教材選びで脳を活性化
- IT時代の新しい読み方
このなかで次のように言っている。
新聞や小説の内容を大筋で正しく理解するには、少なくとも5000〜6000語の知識が必要だ。(中略) ただし一定以上の語彙を覚えたら、私は、その後は頻出語の使われ方を深く学ぶほうが効率がいい。
ここでは「一定以上」というのが気になる。自分が、その水準に到達しているとも思えないが、語彙数を客観的に測定する適切な方法はないものか。
さらに「線条体の研究」によれば、「発音を別にすれば、語学を効率的に学ぶ力は中学生より大人のほうが高いはず」とのことだ。これには少し安堵した。しかし線条体とは何なんだろう。脳科学の入門書を読んでみたくなった。